【有明海・諫早湾研究情報交換会】
日 時:平成23年8月26日(水)13:30~16:30
場 所:(財)九州環境管理協会 1号館地下会議室
次 第:
1.あいさつ
中西 弘(山口大学名誉教授)
荒牧 軍治(佐賀大学名誉教授)
「有明海再生機構のこれまでの成果とこれからの取り組みについて」
2.研究発表
①「諫早湾における水塊の風応答特性」
松永 信博(九州大学教授)
②「諫早湾の潮流や物質輸送について」
田井 明(九州大学特任助教)
③「開門による潮流・貧酸素の変化などに関する研究について」
濱田 孝治(佐賀大学准教授)
④「高度な栄養塩管理-環境と生物生産量との調和-」
中西 弘(山口大学名誉教授)
⑤「調整池からの懸濁物質の輸送範囲と底質の堆積状況について
横山 佳裕(九州環境管理協会係長)
⑥「底生生物群集から見た諫早湾の環境変化について」
藤井 暁彦(九州環境管理協会課長)
3.ディスカッション
要 旨:
①.諫早湾内では水塊輸送は卓越風に強く影響されており、南寄りの風が吹送する場合、表層の低塩分・
高酸素水塊は有明海側に輸送され、底層の高塩分・低酸素水塊は諫早湾奥部に輸送される。北寄りの
風の場合は逆の輸送が起こる。
②.有明海における潮位振幅は外海の潮位の減少の影響が主原因である。
③.開口率20%でも調整池の潮位差は回復する。平均水位は上昇する。
流れは開門率20%では水門から500m程度まで影響を受ける。
全開門では水門から1㎞程度沖まで1.6m/s程度の底層流速上昇が想定される。
全開門でも有明海湾奥部の最大流速の変化は大きくない。
島原半島沖では10%程度の流速上昇が見込める。
開口率20%でも洗掘を生ずる。
SS濃度は上昇するが諫早湾内に限られる。
開口率20%では調整池内で貧酸素水塊発生のリスクが高まる。
湾奥部については全開門でも貧酸素水塊発生のリスクに変化は起こらない。
④.有明海研究は環境研究に特化しており、漁獲資源の研究がほとんど行われていない。
研究が締切影響の研究となっている。優先度の高い研究から実施すべき。
⑤.調整池の懸濁物有機物は排水門からほぼ2㎞までに沈降する。
諌早湾口部の有機物堆積は湾外由来がほとんど。
⑥.諫早湾奥部では締切前後で底生生物組成に変化が見られたが、湾口部では大きな変化は見られない。
  
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