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有明海にまつわる人々

川村 嘉応
かわむら よしお
佐賀市

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1955年2月 生まれ 
1980年3月 長崎大学水産学部 修士課程修了 
1980年4月 佐賀県水産試験場 
1994年3月 「養殖ノリのスミノリ病に関する研究」で農学博士取得  
2003年4月~2004年3月
佐賀大学農学部客員教授 
2013年4月~2015年3月 
佐賀有明水産振興センター 所長で退職 
2016年4月~ 
ノリ養殖技術アドバイザーとして、同センターに勤務 
2017年11月~
佐賀大学農学部 特任教授(兼務) 
NPO法人有明海ぐるりんネット理事

川村さんは、2019年1月に海苔産業情報センターから「新・海苔ブック基礎編、技術編1,2」を出した。 朝日新聞にこの本の広告が出ていて早速本を手に入れて読むとこれまで、私が取材を通してノリ養殖をしている人にお話を聞いてきたことが、「ああ、こいうことだったのか」と理解できた。 
しかし、まだわからないことがある。お話を聞きに行こうと思いたった。 
場所は、有明海 に注ぐ六角川のそばにある佐賀有明水産振興センター。 
川村さんとは初対面。私がNPO法人ぐるりんネットの冊子「有明海」の編集をしていた9年間、その年毎の有明海の状態について書いていただいていたが、機会を失し、メールだけでのお付き合いになってしまった。
これまで文章を通して「優しい人」に違いないと思っていた。 
初めてお会いした川村さんは背が高くて、眼光鋭い人だった。緊張した。 
  
まず新・海苔ブック出版についてお聞きした。 
この本は、川村さんが2011年から2015年に「、全国海苔貝類漁業協同組合連合会の機関紙「海苔タイムズ」に書いたものを加筆、修正して海苔産業情報センターが2017年1月に出版したという。 
出版社によると「新」とついているのは「基礎的な海苔養殖に関する内容の本は、昭和48年に全国海苔貝類漁業協同組合連合会から、それまでに開発された海苔養殖技術を網羅した「新編 海苔養殖読本」が殖田三郎(うえだ さぶろう)博士によって、纏められ発刊されていました。しかし、44年を経て、海苔品種、自然環境(海況)の変化によって海苔養殖技術も大きく変わらざるを得ない状況になっています。」 
「このような変化に対応すべき技術を全国有数の海苔産地で35年間に亘り研究を重ね、日本一の海苔を育てて来た佐賀県有明水産振興センター前所長の川村嘉応(かわむら よしお)農学博士が全国海苔貝類漁業協同組合連合会の機関紙「海苔タイムズ」に2011年(平成23年)2月~2012年(平成24年)12月「ノリ養殖の基本を学ぶ」、2013年(平成25年)8月~2015年(平成27年)4月「新・ノリ養殖の基本」としてそれぞれ掲載された本文に加筆、修正されたもので 、新しい状況に対応した「新・海苔ブック」と言うことだろう。 
  
川村さんとノリ-海苔との関係は大学、大学院そして仕事の期間ずっとノリと関係した人生だった。それを裏付けるように、海苔ブックにはノリに関する研究論文や本が多数ある。新海苔ブックに掲載されたものを書いてみる。 
書籍 「ノリ、貝類、甲殻類、ウニ類、藻類」「美味しい海苔ができるまで」 
「ノリの病気185、海洋と生物」 
論 「養殖場におけるナラワスサビノリの単胞子の放出について」 
「養殖ナラナラワスサビノリの生長と環境条件に付いて」  
「養殖スサビノリの核分裂の日変化と培養条件によるその変動」 
「高水温年における採苗日決定に関する一考察」 
「採苗開始時の環境がノリ養殖の生産性に及ぼす影響」 
「乾ノリの光沢に及ぼす原藻に及ぼす蓄養条件」 
「佐賀県有明海で実施されている栄養塩添加の現状」 
「ノリ網糸に付着するアオノリ対策」 
「養殖ノリのスミノリ病に関する研究」 
「ノリ葉体に付着する吸管虫類」 
「ノリ葉体上に形成されたアカグサレ病菌卵胞子の発芽特性」 
「1991年度西・南部養殖漁場で発生した色落ちと幼芽の異形化」 
「有害珪藻の有明海佐賀県海域における出現動態と各種環境要因との関係」 
「養殖ノリに被害を与える壷状菌のPCRによる検出」 
「各地のアカグサレ菌株の形態・生長比較と遺伝的差異」 
「酸性処理液のアカグサレ菌に及ぼす影響と再利用」 
「酸処理剤としての乳酸のアカグサレ菌に対する致死効果」 
など、他の研究者と共に多くの研究をなさっている。 
  
この佐賀有明水産振興センターは、「有明海の豊かな生産力の維持と魅力ある水産業を実現するために、試験・研究によって新しい技術を開発しその普及に努めます。」と要覧にある。 

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